スノーボードクロス 北アルプスをバックに滑る

チューンナップとは

 一般的にキズ付いたボードを元通りにする事をチューンナップと勘違いされがちですが、これはボードのメンテナンス。本当のチューンナップとは使用者本人がボードの特性を最大限に引出し、技術を発揮できる様にボードに手を加える事がボードのチューニングである。その為にも滑走面のストラクチャーとエッジのビベリングは必須アイテムでしょう。

ストラクチャ-とは

ストラクチャ-断面イラスト ボードの滑走面に細かいキズ(溝)を意図的に入れること。ボードが雪上を滑走する時に、摩擦熱で雪が溶解し水となり、この水の排水溝を造ってやると滑走性が高まります。自動車のタイヤの溝と同じ原理。雪質や結晶の形、競技種目やスピードによって溝のパターン、大きさ、深さなどを調整して、より滑る滑走面を作ります。一般的にはスノーボードはクロスパターン。雪温が高いほど粗い溝が有効となります。

ストーンフィニッシュ仕上げ

 ストラクチャーは手作業で入れることは限界があります。そこで専用のマシーンを使います。これはロール状の石を回転させダイヤモンドカッターで溝を刻みます。その石により滑走面を研磨してストラクチャーのパターンを入れていくわけです。

サンディングマシーン

 ボードの滑走面を削るマシーンのこと。紙やすりで研磨するのと同じ原理ですが、ボード専用の機械で、ロール状のやすりを高回転させ、滑走面を研磨します。部分的に削ったり、フラットを出したりします。

エッジのビベリング

ビベリングのイラスト 新品のボードのエッジは殆どが90度フラット仕上げになっていますが、意図的にエッジを削り角度を入れる事。ベースエッジのビベルはターンの方向付けがし易く、回転性がアップし後半の抜けが良くなります。サイドエッジのビベルはエッジグリップが増すのでズレにくくなり、シャープな回転性が得られます。通常ベース側マイナス1度、サイド側マイナス1度の90度仕上げにしますが、両方の組み合わせで最適な角度を見つけて下さい。

エッジのダリング

 必要でない部分のエッジを丸めること。ノーズやテールの有効エッジ以外の部分は丸めておきます。衝突時の安全性もありますが、不要なエッジが雪面に引っかかって、滑走を妨げる要因になります。

滑走面のコンケーブ状態

コンケープのイラスト ボードの製造段階の諸要因や滑走状況により滑走面がフラットではなく、エッジより滑走面が凹んだ状態の事。滑走中にエッジが引っかかり易く、回転性が悪いがエッジグリップは良い。

滑走面のコンベックス状態

コンペックスのイラスト 滑走面よりエッジが凹んだ状態。回転性はよいが、直進安定性、エッジグリップが悪い。

ホットワックス

 専用のアイロンなどで、ワックスを解かし、液体状にして滑走面に浸透させるワキシング方。滑走面の繊維の中まで染み込むため、持続性がよいが、表面の不要なワックスはスクレイパーで削り落とす必要あり。

ブラッシング

 ホットワックスをした不要なワックスはスクレイパーで削り落とすが、その後更にブラシで滑走面を擦り、細かい溝の中のワックスを吐き出す作業。ストラクチャー仕上げの滑走面は特にこの工程が必要。あくまでも滑走性を高めるワックスは滑走面の繊維に染み込んだ物だけで良い。

クリーニングワックス

 ワックスの種類でなく、作業工程の通称。揮発材のリムーバーでボードの汚れをクリーニングすると、染み込んだワックスまでなくなるので、滑走性能が低下する。そこで、ホットワックスをして、まだ熱い内にスクレーピングすることで、滑走面に染み込んだ小さなゴミ、汚れをクリーニングする事ができる。

プレチューン

 新品のボードをチューンナップすること。製造過程での滑走面の汚れやゴミを取るために、サンディングによって、新しい滑走面を作ります。また用途によって、ストラクチャー処理やエッジビベリング、ダリングを施し、そのボードの特性を発揮する為には重要なチューンです。また、新品ボードの多くは滑走面の凹凸が多かったり、日本の雪質に合わない滑走面であったりするのでプレチューンをして、滑走性、操作性を高める必要があります。

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